ビジネス戦略の迅速な決定を行う上で重要になるのが「データ分析」です。データベースを蓄積することで、緻密な戦略設計をすることができ、クリティカルな対策を講じることができます。

データ分析をするべく、昨今ではDX推進が叫ばれているものの、導入に手間取り、実現できていない企業も多いのではないでしょうか。

本記事では、自社が保有しているデータをビジネス戦略に活用する方法やデータ可視化分析ツールを導入する上での注意点について解説します。

1.膨大なデータをビジネス戦略に活かすうえでの課題とは?

データ分析が重要であることは理解しつつも、分析方法を知っておく必要があり、分析後には適切な対策を考えなければならず、普段から取り組んでいなければ難しいでしょう。データ分析をする上で以下のような課題が挙げられます。

1.1どのように分析すれば良いのか分からない

ビジネスでは、売上や顧客に限らず、労働時間や経費など、あらゆるものがデータとして捉えることができ、日々蓄積され続けています。

例えば、小売業の場合は「POSデータ」や「Webサイト上における訪問者の行動」「消費者によるレビュー」「アンケート調査の結果」といったデータが蓄積されており、マーケティングに役立てることが可能です。

しかし、自社が保有する膨大なデータを前にして、「何をどのように分析すれば良いのか分からない」というケースもあるでしょう。データの分析にはノウハウが必要であり、必ずしも社員全員が気軽に行えるものではありません。

1.2手作業では時間がかかる

SQLを利用したり、表計算ソフトの機能を利用したりすれば、保有するデータの検索・抽出や表・グラフの作成が可能です。しかし、このようなデータの分析・加工を都度手作業で行っていては、膨大な時間がかかってしまいます。

データベースに関する専門知識やSQLを記述するスキルが求められるほか、表計算ソフトの操作に習熟した人材も必要なので、社内にITに精通した人材がいない場合は「育成」からはじめなければなりません。

1.3分析に必要な手間や人件費を削減したい

「表計算ソフトで充分ではないか」とお考えになるかもしれませんが、「複数のデータソースの統合」「社内外での情報共有」「データの可視化」には手間がかかり、本来の業務を圧迫することになりかねません。「社内にデータベースに詳しい人材や、SQLを扱える人材がいない」というケースも多いでしょう。

新たにIT人材を採用したり、社内で育成したりするのにはコストや時間がかかります。手間や人件費を削減し、効率的に分析を行うためには、「データ可視化分析ツール」の導入が不可欠です。

2.「データ可視化分析ツール」を導入のメリットとデメリットを紹介

データ可視化分析ツールを導入することで、データを可視化して分析する作業を省力化・効率化できます。

2.1データ可視化分析ツールとは?

データ可視化分析ツールとは、企業が蓄積している膨大なデータの中から必要なものを抽出し、視覚的に理解できるように、画像(アイコンやイラストなど)を使用したり、色分けしたり、グラフの形に加工したりして分析を行うツールです。

データの可視化を自動化するツールは「BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)」とも呼ばれ、意思決定や予算編成など、ビジネスの様々なシーンで役立ちます。

近年、様々なデータが企業のデータベースに蓄積されるようになりました。消費者の嗜好が多様化し、変化が激しいため、蓄積されたデータを分析してマーケティングに活かさなければ、厳しい競争の中で生き残ることはできません。

素早くデータを分析し、マーケティングや消費者とのコミュニケーションに活用するためには、専門知識を有する極一部の社員だけが手作業で業務を遂行するのではなく、データ可視化分析ツールを導入し、誰でも簡単に分析を行える環境を整える必要があります。

2.2データ可視化分析ツールのメリット

データを単に眺めているだけでは、ビジネス戦略に活かすことはできません。可視化を行うことで初めて得られる発見があるほか、他の社員・部門との共有がしやすくなることがデータ可視化分析ツールを使うメリットといえるでしょう。

一般的には以下のような機能が備わっています。

・経営分析・財務分析
・予算管理
・営業分析・売上分析
・帳簿の作成
・人事データ分析
・勤怠管理データ分析

データ可視化分析ツールを導入することで、様々な経営指標を把握して迅速に判断できるようになります。また、勤怠管理システムなどと連携して社員の残業時間を分析し、削減に向けて施策を講じることも可能です。

最も重要なのは、誰でも操作できる点です。ツールを導入せず分析をしようとすると、システム内のデータを直接操作するためにSQLを記述しなければなりません。データ可視化分析ツールであれば、直感的なマウス操作で誰でも簡単にデータの抽出・可視化を行えます。

そのほか、レポートの形にまとめたり、プレゼンテーションソフトやワープロソフト、表計算ソフト、CSV、PDFなどの形式でファイルを出力したりすることが可能です。これまでの社内の業務フローに合わせて臨機応変に対応できることも、「データ可視化分析ツール」の魅力といえるでしょう。

なお、リアルタイムでデータを反映させ、重要な指標やグラフ・表などを一覧表示できる「ダッシュボード機能」を活用すれば、PDCAサイクルをスムーズに回せます。

3.「データ可視化分析ツール」を導入する際に注意すべき点

様々な企業から「データ可視化分析ツール」が提供されていますが、費用や機能、使いやすさに違いがあることにご留意ください。以下、導入する際に注意すべき点を2つご紹介します。

3.1コストが適切か

まずはコストに見合うだけの機能があるのかを確認しましょう。データ可視化分析ツールといっても多種多様であり、サービスごとに機能や費用が異なります。「高額なツールを導入したものの、殆ど利用していない」という状態になってしまったら、導入費用が無駄になります。

社内にITに詳しい人材がいないにもかかわらず、データサイエンティスト並みの知識がなければ使いこなせない高価かつ多機能なツールを導入しても、宝の持ち腐れになってしまうでしょう。

導入する前に自社の課題を分析した上で、「自社にとって必要な機能が備わっているか」「ITに精通していなくても簡単に使えるか」などをチェックし、コストパフォーマンスに優れたサービスをお選びください。

3.2UIやUXが優れているか

UIやUXも、「データ可視化分析ツール」を選ぶ際に重要なポイントです。SQLの記述が必要で、操作が難しいツールは、専門スキルを有する特定のスタッフしか扱えない状況になってしまいます。

日常的に利用するツールなので、使いやすさや操作性が悪ければストレスが溜まってしまいます。

デモやテストアカウントで試用できる場合は実際に様々な機能を使ってみて、「操作性が悪い」「視覚的に分かりにくい」と感じたら導入を見合わせましょう。

なお、「ノーコード」で分析可能な(SQLを記述しなくて良い)ツールを選ぶことも大切です。データに基づいてビジネスを進めていく体制を構築するためには、社員全員が気軽に利用できるツールを導入しなければなりません。IT知識がない方々だけでなく、社員全員が使いやすく、労働時間を削減するだけでなく、本業に労力をかけることが可能になります。

5.「データ可視化分析ツール」を導入して、ビジネス戦略に活用しよう!

保有する膨大なデータをどのように分析し、経営判断に活かせば良いのだろうかと悩んでいらっしゃるかもしれません。

SQLや表計算ソフトを使って分析するのは、誰でもできることではなく、時間や労力がかかるという問題があります。データを経営やマーケティング業務などに日常的に活用するためには、データ可視化分析ツールの導入が不可欠です。

特におすすめなのは、GUI操作でデータの分析・可視化を行える「ノーコード」のツールです。専門知識を有しない社員であっても簡単に分析を行えるようになるほか、他の社員や部署との共有もスムーズになるので、意思決定が早まり、企業の業績向上につながります。

ぜひデータ可視化分析ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。