企業の間接費を見直す方法をご紹介!間接材・サービスの購買データをチェックしてD Xでコスト削減を実現

企業の業績を向上させるためには、「売上」をアップさせることに加えて「原価(コスト)」を削減して利益を確保することが大切です。何らかの商品・サービスを製造・提供する際に発生する原価(コスト)は、商品やサービスそのものを作るために必要な「直接費(直接コスト)」と事業活動を行う上で必要となる「間接費(間接コスト)」に大別されることを覚えておきましょう。

直接費は、種類が少なく、発生頻度が規則的なので、把握や管理が容易です。現場における改善活動や原価低減活動でそれに対し、間接費は、種類が多く、発生頻度が不規則なので、把握や管理が容易ではありません。そのため、コスト削減の取り組みが後回しになってしまうケースもあるのではないでしょうか。

そこで、本記事では、企業の経営者や管理職の方に向けて、コスト削減に不可欠でありながら、後回しになってしまいがちである「間接費」を見直す方法について徹底解説します。
 

1.「直接費(直接コスト)」と「間接費(間接コスト)」の違い

直接費(直接コスト)とは、製品やサービスの一つひとつに組み込まれる原価として直接的に発生する費用です。それに対し、間接費(間接コスト)とは、製品やサービスには組み込まれずに事業活動を行う上では必要なものの間接的・付随的に発生する費用を意味します。下表に、直接費と間接費の特徴をまとめました。

 

直接費(直接コスト)

間接費(間接コスト)

発生頻度

規則的に発生

不規則に発生

1科目あたりの金額

比較的高額

比較的少額

トータルでの発生量

限定的

大量

直接費は特定の製品・サービスにのみ発生するのに対し、間接費は多種多様な製品・サービスに発生します。

なお、直接費も間接費も、「材料費」「労務費」「経費」の3種類に分けられることを理解しておきましょう。以下、「アパレル製品の工場」のケースについて、直接費と間接費の具体例をご紹介します。

 

1.1直接費(直接コスト)の例

直接費は、「直接材料費」「直接労務費」「直接経費」の3種類に分けられます。

まず、直接材料費とは「製品を製造・提供するために使う材料や部品の代金など」のことです。具体的には、アパレル製品の工場の場合、「生地」「糸」「染料」「ボタン」などの費用が該当することを覚えておきましょう。

次に、直接労務費とは「製品やサービスを製造・提供するために投じた人件費」のことであり、アパレル製品の工場の場合、「縫製を担当する人」や「染色を担当する人」などの人件費が該当します。

そして、直接経費とは「製品やサービスを製造・提供するのに直接かかった経費」を指し、(アパレル製品の工場の場合、「外注加工費」などが該当することを理解しておきましょう。

 

1.2間接費(間接コスト)の例

間接費は、「間接材料費」「間接労務費」「間接経費」の3種類に分けられます。

まず、間接材料費とは、「製品本体には使用されていないものの、間接的に必要になる材料費」(「補助材料費」「工場消耗品費」「消耗工具器具備品費」)を指し、アパレル製品を製造している工場の場合は、「道具箱」「台車」「事務用の机」「キャビネット」などが該当します。

次に、間接労務費とは、製品・サービスを製造・提供するプロセスとは関係ないところで人材にかかる費用(「間接作業賃金」「間接工賃金」「従業員賞与手当」「福利費」など)です。アパレル製品の工場の場合は「清掃に関わる人員の人件費」や、福利厚生の一環として「スポーツジム」の利用に関する契約をした場合、その料金などが該当することを覚えておきましょう。

そして、間接経費とは、製品やサービスを製造・提供するために間接的にかかる経費(「減価償却費」「賃借費」「修繕費」「電力料」「ガス代」「水道料」「通信費」「旅行交通費」など)であり、アパレル製品の工場の場合、「暖房のためのガス代」「パソコンの減価償却費」「インターネットの通信料金」などが該当します。

2.間接費(間接コスト)を削減するメリット

コスト削減に取り組む際には、把握・管理が容易な直接費の削減を優先してしまいがちですが、既に十分な直接費の低減を行ってきている日本企業において手つかずのまま放置されているのが間接費の削減です。以下、間接費を削減するメリットを3つご紹介します。

2.1「売上」にマイナスの影響が及びにくい

直接費は製品やサービスに直接関係しているため、削減すると売上に悪影響が及ぶ危険性があります。「コスト削減は達成できたけれども、売上が下がってしまった」という状態になるのは避けなければなりません。安い材料を使うと製品・サービスの質が低下したり、直接労務費を削減すると従業員のモチベーションが低下したりする場合があるのでご注意ください。

間接費の見直しなら、売上にマイナスの影響を与えることなくコスト削減を実現できる可能性が高いことを覚えておきましょう。

2.2トータルで大幅なコスト削減を達成できる

間接費の金額は、一般的に売上の約10%分に相当すると言われています。1つの勘定科目あたりの金額は直接費に比べて小さい傾向があるものの、種類が多いためトータルでは大きな金額になることを認識してください。

細かいため管理が大変かもしれませんが、企業全体のコストの大幅な削減を実現できる可能性が高いので、間接費の削減に取り組みましょう。

2.3「バックオフィスDX」の推進にも役立つ

間接費には、以下に示すような「バックオフィス部門で発生するコスト」が大量に含まれます。

  • 従業員による立て替え経費(タクシー代、高速道路利用料、会議費、雑費など)
  • 賃借料、通信費、光熱費、税金などの支払いに伴う事務処理コスト・人件費

これらは間接経費に分類されるものであり、間接材料費や間接労務費に比べると短期間で削減することが可能です。

ちなみに、処理を「紙ベース」「手作業」から、ソフトウェアを用いて「電子化」「自動化」すれば、経理部門などにおける間接労務費の削減につながります。

例えば、法人向けのクレジットカードやETCカードを従業員に持たせて、それで上記経費の支払いを行わせてはいかがでしょうか。小口現金の管理が不要になり、会計ソフトと連携させて利用明細を自動的に取り込むことで経費精算業務が大幅に効率化されるので、ぜひご検討ください。

このように間接費の削減に取り組む中で事務処理を電子化・自動化していくことで、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも役立ちます。

もちろん、ペーペーレス化することで、「紙」や「インク」「ファイル」「キャビネット」「保管スペース」「封筒代」「切手代」などのコストを削減できることもメリットと言えるでしょう。

3.間接費の見直しを行う際の流れ

間接費は種類が多く、不規則に発生するため、管理が容易ではありません。そのため、「どのようにして見直せば良いのか分からない」とお悩みの経営者もいらっしゃるのではないでしょうか。以下、見直しを行う際の流れを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

3.1間接費に該当する支出を可視化する

間接費の削減に取り組む際は、最初に「現状がどのようになっているのか」を把握しなければなりません。表計算ソフトや各種ITツールなどを活用して、間接費の内訳を可視化していきましょう。

「消耗品を発注するための人件費」など、数値化しにくいものもありますが、可能な限り定量的に把握し、削減を検討することが大切です。

3.2目標を設定する

間接費に該当する支出を可視化したら、次に「目標」を設定しましょう。

間接費は1種類あたりのコストが直接費に比べて大きくないため、削減の効果を実感しにくいかもしれせん。モチベーションを維持するため、コストの種類ごとに削減金額の目標や期限を設定し、定期的に目標金額を達成できたかどうかをチェックしてください。

また、優先度を決めることも大切です。「取り組みやすさ」や「削減の余地」などを踏まえて、総合的に判断しましょう。

3.3サプライヤーとの交渉や、従業員への働きかけ

目標を設定したら、サプライヤーと交渉を行いましょう。契約内容の見直しを行えば、少ない労力で短期的に効果を実感でき、大きなコストカットを達成できるケースもあります。ただし、サプライヤーに対して値下げを要求するのにも限度があり、長期的には削減の余地が少なくなっていくことにご留意ください。

ところで、コスト削減を実施する際には、サプライヤーとの交渉だけではなく、従業員への働きかけを行って、経費の適正化を図ることも重要です。ただし、「ルールの策定」「システムの導入」など、社内体制を整備し、社員への教育・研修も実施する必要があり、効果が出るまでに時間がかかる場合があります。そのため、サプライヤーとの交渉を優先させましょう。

社内体制の整備の一環で新しいシステム(例えば、会計システム、事務処理の自動化ツールなど)を導入した場合、一時的にコストが増大してしまったり、慣れるまでは作業効率が逆に低下してしまったりするかもしれません。しかし、一旦、社内の体制が整えば、持続的に恩恵を受けることが可能になり、長期的な視点では間接費の大幅な削減に寄与します。

3.4施策のモニタリング

「施策を実施したら、それで終わり」ではなく、設定した期限に対する進捗状況や、間接費削減の効果を定期的に確認しましょう。

なお、モニタリングを実施する中で「課題」が発見される場合があります。その場合は、新たに目標を設定して、改善のための施策を実行しましょう。

4.間接費削減を実行する際のポイント

以下、「間接材料費」「間接労務費」「間接経費」の3種類の間接費について、削減する際のポイントをご紹介します。

4.1間接材料費を削減する際のポイント

間接材料費の削減には、「一括購入で安く仕入れを行う」「価格の交渉を行う」「在庫管理の見直しを行う」などの施策が有効です。

ところで、一括購入で仕入れる際には、過剰な在庫を抱え込まないようにご注意ください。保管するのにも、スペースや費用がかかります。必要な分量を必要なタイミングで安く仕入れ、不要な在庫を抱えないように心がけましょう。

4.2間接労務費を削減する際のポイント

間接労務費を削減する際は、「不要な業務の削減」「ITツールによる業務効率化」「外注の活用」といった施策を実施すると良いでしょう。

小売業の場合、キャッシュレス決済(クレジットカードや、電子マネー、スマートフォン決済サービスなど)に対応したり、セルフレジを導入したりすることで、現金の取り扱い量が減り、レジを担当する人員(および労務費)を減少させることも可能です。

また、紙の文書ではなく「電子データ」でのやり取りに切り替えて、ITツールで自動処理を行えば、経理などの事務処理が効率化され、バックオフィス部門の間接労務費を大幅に削減できます。法人向けクレジットカードを従業員に持たせて、立て替え経費の精算業務をなくすこともご検討ください。

4.3間接経費を削減する際のポイント

オフィスの「賃貸料」や「光熱費」「通信費」などの間接経費は、業界・業種に関係なく、事業を営むうえで必ず発生するものです。

間接経費を削減するポイントとしては、「賃料の交渉を行う(安い物件に移転する)」「光熱費の料金プランを見直す」「通信費を法人向けプランに切り替える」などが挙げられます。ちなみに、出張の際に法人向けのクレジットカードで航空券を購入すれば、ポイントやマイルが貯まるので、旅費交通費の削減につながることを覚えておきましょう。

5.企業のコスト削減を実施する際には、間接費の見直しが不可欠

間接費には多種多様な種類がありますが、「間接材料費」「間接労務費」「間接経費」の3種類に大別されます。直接費に比べて種類が多く発生頻度が不規則なので、把握・管理が困難ですが、一般的に売上の10~20%程度に相当する金額になるので、間接費を見直せば大幅なコスト削減を実現できることを認識しておきましょう。

削減する際は、まず間接費に該当する支出を可視化し、相当する目標を設定したうえで、サプライヤーとの交渉や従業員への働きかけを行ってください。間接費削減に役立つサービスやITツールを活用することも検討しましょう。施策実行後には効果のモニタリングを実施し、課題が発見された場合は、新たに目標を設定して改善に向けて取り組むことが大切です。

一方で、間接経費削減を成功に導くためにはこれまで説明した通り、現状把握、削減箇所の特定、見積作成依頼、調達先との交渉及び選定等、担当者の手間がかかります。

それらの業務を請け負い、既存調達先だけではなく新規調達先の調査を含め成功報酬型で料金を支払うサービスを提供する企業もあります。

目標削減規模が社内の人員リソースを考慮してそれらの外部サービスを活用することも一つの手段として挙げられますので、ぜひ検討してみてください。

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