【DX事例紹介】製造業の現場教育の課題はDXで解決!
製造業の現場における教育は、天候や労災リスクなど、危険が伴うこともあります。そこで本記事では、製造業の教育方法が持つ課題を顕在化し、今後どのようにしてDXを推進していくことが出来るのか事例を交えて解説していきます。
1. 製造業の現場での教育手法と課題とは
それでは、実際に製造業の現場で行われている教育について深堀していきます。
1-1.教育は「OJT」と「作業マニュアル」が主流
まず初めに、現在主流となっている製造現場における教育は主に「OJT(※1)」と、「作業マニュアル(※2)」の2通りの方法があります。
※1. OJTとは「On The Job Training」の略で、上司や先輩社員などがコーチとなり、実務を行いながら業務を覚えてもらうという方法です。
※2. 作業マニュアルとは、業務フローや手順書などの資料やツールを作成し、それを元に独力で業務をこなしていくことです。
一昔前までは、先輩の仕事ぶりを見て覚えるのが一般的であったため、そもそも「マニュアルを作る」という発想がありませんでした。しかし、それでは習熟度の差が生まれてしまい、業務効率が上がらないことから「作業マニュアルの作成」が生まれ、更には「OJT」と現場教育の在り方が変わってきました。
ちなみに、OJTのメリットは即戦力としての期待が出来ることにあります。その一方で、作業マニュアルは作成(更新)にかかる時間は必要ですが、ある程度手離れが良くなるため、それぞれ使う場面を分けるとより効果的と言えます。
では、どういった業務に対してOJTと作業マニュアルを使い分けるといいのでしょうか?
1-2.ケースバイケースには「OJT」、ルーチンワークには「作業マニュアル」
製造業の現場で行う作業は「機器・システム操作」と「点検」の2つがあります。
1-2-1.ケースバイケース:機械やシステムの操作方法
まず一つ目として、機械やシステムの操作方法を教育することですが、様々な種類の機械を正しく安全に使用するためには、作業マニュアルのみならず、OJTを用いて細かな気付きを教育することが重要です。
理由としては、初めて触る機械やシステムの操作は誰にでも難しいことが挙げられます。
例えば、使い慣れているスマートフォンなども、機種が変っただけで使い方が分からなくなりますよね?それが初めての機械やシステムであれば、より分からないことばかりになるのが必然と言えるからです。
1-2-2.ルーチンワーク:設備点検
逆に、設備点検および管理は作業マニュアルだけで基本的には問題ありません。
理由としては、設備点検は点検項目や点検方法などがメーカーから提供されているため、それを元に作業マニュアルを作成することが比較的容易かつ、異常検知した場合にはその対応フローもある程度決まっていることが一般的だからです。
1-3.製造業の「現場教育における課題」とは?
ここからは現場教育における課題について、事例を交えて紹介していきます。
課題① 作業の丸投げになってしまう
教える側である先輩の方も自身が取り組むべき業務があることから、ある程度基本的なことを教えると、以降は丸投げの指導になってしまうことが多々あります。
しかし、本来であれば基本的なことを教育し終えても、時として付きっきりで丁寧に指導することも必要です。とは言え、会社が人員不足に悩んでいたり、作業効率化に重点を置いていたりするとどうしても十分な指導が行えなくなってしまうのが実態として挙げられます。
作業マニュアルが無い、または分かり辛いことが挙げられます。
・作り方がわからないためそもそも作業マニュアルがない
・体系立てて業務に取り組んでいないためマニュアル化出来ない
・指導方針が明確になっていない など
原因は様々ではありますが、どのような形であれ結果として作業マニュアルの活用がされないことが現場で多くみられる課題です。
課題③ 目的の無いため、新たな問題に対し解決することが出来ない
別名「詰め込み教育」とも言えますが、「何のためにその指導を行うのか」が抜けており、ただ単に知識を教えるだけの教育を行ってしまっているケースです。
本来であれば、相手に「なぜその教育が必要か」理解してもらった上で作業に取り組んでもらうことで、今後別の作業でその知識・経験を生かしてもらうことが重要だからです。
例え研修期間であっても、教育担当者には通常の業務も同時に行うことがほとんどのケースを占めますが、そういった場合に何らかのトラブルが発生すると新人教育よりも業務を優先しなければなりません。他にも、出張などにより何らかの形でOJTが出来ないケースなども、同様の課題と言えます。
2.IoTを活用してリモート化!DXで変わる現場教育
近年、「モノのインターネット」と訳される「IoT」を導入し活用することによって、製造業の現場で行う教育のリモート化が進みつつあります。
では、どのようにして先に挙げた課題を解決することが出来るのでしょうか?
2-1.現場教育に必要なこと、それは「作業者の視覚を共有すること」にあった
製造業の現場教育を変革させるために最も重要なことは、遠隔地にいる場合でも「作業者の視覚を共有すること」で、場所や時間にとらわれない教育が出来ることが望ましいです。先に挙げた課題でも、大抵のことはこれが出来ているだけでほぼほぼ解決出来ると言えます。
では、「作業者の視覚を共有」は技術的にどのようにすれば良いのでしょうか?それこそが近年徐々に導入が進んでいる「スマートグラスを用いたリモート・モニタリング」です。
スマートグラスとは、眼鏡やサングラスに対してさまざまな機能を実装したものです。その多くはレンズ部分がディスプレイで、画像や文字、記号などを表示させることが出来ます。
そのため、スマートグラス越しの情報をリモート・モニタリングすることで、作業者が今何に迷っているかを教育担当者はすぐに把握することが出来、作業の指示を出るようになるという仕組みです。
また、眼鏡やサングラスであることから、ハンズフリー設計になっているのも現場にとっては非常に重要なことでしょう。何故なら、多くの作業で手を使うことが多い現場において、話をしながら作業が出来ることは大きなメリットと言えるからです。
2-2.導入時のポイント
製造業において、現場でIoTを導入する際の大切なポイントとしては、自分達の課題をしっかりと把握した上で、指導者だけではなく社員全員が使えるIoTシステムを導入することです。
当然ながら高い費用をかけてIoTを導入しても、自分達に合っていなかったり、システムを活用できなかったりしては、お金と時間のムダになってしまいます。
IoTを導入する際には「自分達で各々に合ったシステムを作り上げる」という認識をもつことは重要です。
「導入したらそれで終わり」ということではなく、自分達が必要とする課題に対応できるようカスタマイズしていく必要性があるため、そういう意味でも各々がしっかりとloTを学びながら、導入できるシステムを選ぶことが求められています。
3.現場教育を楽にするにはスマートグラスの導入がおすすめ!
一般的に企業が教育にかけるコストは決して安くありません。そのために、現場教育が楽になることが重要で、結果として早く技術を身に着けることが出来ればよりDX化が進むと言えます。
製造業でDXを考えている、DXを推進したい方は是非検討してみてはいかがでしょうか?
3-1.Real Wear
Real Wearは、音声で操作可能な完全ハンズフリーのAndroidスマートグラスです。
目の前に映し出された映像を音声で操作することができるほか、防水・防落下機能が付いているため「危険な場所での作業」「手が汚れる作業」「両手が離せない作業」などにうってつけです。
さらに、処理能力が高いのはもちろんのこと、画面に表示される映像は7インチディスプレイに匹敵するほどの鮮明なため、照り付ける日差しの中でも問題なく使用できる優れものとなっています。
安心して作業に集中できる仕様かつ指導員も遠隔で技術指導できる設計になっているため、非常に使い勝手の良いツールです。